Straight Outta Street

#FIND STORY – DAICHI

圧倒的な表現力と音に対する鋭敏な感覚を武器に、日本ダブルダッチシーンにその名を轟かせる。今尚最前線でスターダムを駆け上るが、その道は決して平坦ではなかった。誰もが認めるトッププレイヤー・DAICHIのストーリー。

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ダブルダッチとの出会い

もともと運動が苦手で、スポーツが楽しかった思い出は少ないですね。でも、小学生の時のマラソンで初めて賞を取ることができて、それが嬉しくて中学から陸上を始めました。けれど、やはり運動神経はよくなかったので上手くいきませんでした。高校でも陸上を続けましたが、練習もせず、成績も取れず、ただ部活に所属しているだけで、腐っていた時期だったと思います。

そんな高校生活も終わり、同志社大学に入学しました。腐っていた自分にけじめをつけて、新しいことを頑張ろう、大学では変わるんだと決めていました。そして、新歓でダブルダッチサークル・S’il vous plait!(しるぶぷれ)に勧誘されてダブルダッチに出会いました。新歓の練習が既に楽しくて、すぐに入部を決めました。ただ「跳べる」ということ、それ自体にすごい達成感があったのをよく覚えています。

日の目を浴びることがなかった現役時代

今でもそうだと思いますが、大学生でダブルダッチを始めると、ニューヨークで開かれる学生の世界大会・National Double Dutch League(以下NDDL)を目指しますよね。僕も “ME$ER(メドラー)” というチームを組んで、日本予選であるダブルダッチ・ディライト(以下ディライト)を勝ち抜くことを目標にしていました。

僕たちは4人構成のチームで、ひとりひとりが輝ける場所を作るためにメンバーごとに役割分担をしました。ですが、ステップや空中系のアクロバットができるチームメイトが誰もいなかったんです。なので、チームに足りないその要素を自分が埋めようと一から練習していました。やりたいからやっていたというよりは、必要だからやっていたという感じですね。

daichi_2大学生時代のチームメイトと(2012年)

がむしゃらに練習した努力も実らず、現役時代に大会で勝つことは一度もありませんでした。大学3年生の最後のダブルダッチ・ディライトでも予選負けで、NDDLに出場するという僕の夢はあっけなく終わりました。ダブルダッチを知らない人にはなかなか伝わらないかもしれないですが、現役生が大会に賭ける時間と想いって物凄いんですよ。野球の甲子園のような、尊い熱さと儚さが共存する場所なんです。

その時は本当にめちゃくちゃ泣いて、自分たちの演技が終わった後は放心状態でした。この後どうするかとか、ダブルダッチを続けるかどうかとか、そんなこと全く考えられず、目の前が真っ暗でした。でも、その時に、ASGRMの千野さんとCANADAのナオキさんが言ってくれたんです。「お前が輝けるステージは、これから山ほどある、だからやめるな」と。

大学3年生で出場した、現役最後のダブルダッチ・ディライト”(2011年)

第2のステージの始まり

ディライトが終わった後に、幸運にもサークル外の人とチームを組む機会がありました。関西学生選抜チームのAPOLLOに選ばれて、”The GOLD” というイベントでゲストパフォーマンスをしたんです。それをきっかけに色んなチームに誘ってもらえるようになり、翌年2012年には、”No.1 Summer Festa”という大会で準優勝、ディライト関西予選の一般部門でも優勝することができました。その頃は、ちょうどバトルの文化が盛んになってきた時期で、ソロバトルのDouble Dutch One’s (以下”ワンズ”)では1回目で優勝し、3on3のバトルイベント “Double Dutch Night vol.8” でもフリーロープのスタイルで優勝することが出来ました。

daichi_3関西選抜には2年連続で抜擢、”The GOLD”でゲストパフォーマンスを行った。(2012年)

結果が出るようになったのは、自分の役割が変わったことが大きかったのかなと思います。外部の人とチームを組むと、それまでアクロバットとステップ担当だった僕をフラットな目線から見てくれる。「ダイチのいいとこって実はここだよね」と教えてくれる。それまでの役割の中では気付かなかった、自分らしさを引き出してくれたんだと思います。

それに加え、ずっと続けていたダンスの練習が少しずつ実を結んできたこともあったと思います。大学2年生の終わりから、ダブルダッチで活かすためにダンスの練習を始めました。ですが、続けるうちにダンス自体にのめり込み、スクールに通いつめ、先生の紹介でクラブのイベントに出演することも沢山ありました。ダンスの現場にどっぷりとつかり、音を聞いて楽しむことを生で学ぶことが出来ました。その経験をフリーロープに活かし、バトルで結果を残すことが出来たと思います。

daichi_1即興で音に合わせてムーブを行う”フリーロープ”のスタイルで、バトルシーンにおいて快進撃を起こした。